ゆみみみっくす |
自称少女漫画家の竹本泉先生(男性)が、
脚本、絵コンテ、レイアウト、設定、フォントまで手がけた
アドベンチャーゲーム。 線の少ない絵が、ゲームに向いているから、彼を起用したという説もあるが、 真相は謎である。 空想癖のある平凡な女子高生吉沢弓美は、登校中お化けを目撃する。 そのことを昼休みにクラスメイトの桜崎桜子に話すが、見間違いだと 一蹴されてしまう。 と、その時、ふたりの会話に弓美が密かに思いを寄せる、 新聞部員の松崎真一が割り込んできた。 彼は、最近校内でお化けらしき物を見かけた生徒が、 何人もいるということを二人に話す。 休み時間が終わり、午後の授業を受けていると、弓美は先生から 理科準備室に行って、プリントを取ってくるように頼まれる。 移動中、弓美は廊下でお化けの様な物に出会ってしまい、 ふいに、気を失ってしまう。 気がつくと、中等部の生徒、森下りえが現れ、 「今晩、体育館に大きな穴が空くわ。」 と、謎のメッセージを残し去ってしまう。 放課後、再びりえに出会い、その事を問い詰めるも、彼女に その記憶は無いようだった。 事の真相を確かめるべく、弓美、桜子、真一の三人は、 メッセージに従い、夜の体育館に忍び込んだ…。 というストーリーが、全編フルボイス&フルアニメ で展開される。 現在のゲーム機の様に、DVD動画なんて使えない時代。 取り込んだ動画を無理矢理圧縮するか、BGの上にスプライトを重ねての、目パチ口パクぐらい の簡単な動きしか出来なかった。 前者は画質に問題があり、後者は動きがぎこちなかった。 本作では、メガCDの6Mという当時としては大容量のRAMを活かし、 スプライトとBGで丁寧に描かれた絵が、メガCDの回転、拡大、縮小をうまく使った演出とともに、 走る、飛ぶ、変身するといった派手な動きを ゲーム中途切れる事無く見せてくれる。 はっきり言って、現在の一部の作画のひどいアニメに、 見習って欲しいくらい素晴らしいレベルだ。 ゲームの方は、時々出てくる選択肢を選ぶだけで、 ゲームオーバーも無く、2時間ぐらいで三種のうちの どれかのエンディングに辿り着く。 ゲームというより、ちょっかいを出せるアニメ という感覚。 プレイ時間は短いし、分岐も少なく、ゲーム性も低い。 だが、ゲーム中にあふれる竹本ワールドの心地よさが、 そんな事をすっかり忘れさせてくれる。 このゲームで竹本泉という作家を知り、彼の単行本を買い始め、 すっかりファンになってしまった人も数多い。 (筆者もその一人) 特徴的な作風の作家と、職人肌のゲームメーカーの 二つの個性がぶつかり合い、見事に融合して出来た作品である。 男性諸氏が買うには、少し恥ずかしい、かわいらしい絵柄だが、 食わず嫌いをせずに、機会があれば触れてみて欲しい。 ちなみに余談だが、最後のアイドルと言われた高橋由美子 が歌う、本作のOPテーマ曲、「アチチッチ」は一部のカラオケ店で、 歌うことが出来る。 筆者が歌ったら、ドン引きだった…。 個人的評価 ☆☆☆☆ |
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