幽☆遊☆白書 魔強統一戦

当時、週刊少年ジャンプで連載されていた、同名の人気漫画をゲーム化。
アニメ化もされていて、セガがスポンサーをしていたため、 版権が取りやすかったのだろうか?

ゲームの内容は原作に合わせて格闘ゲームになっている。
キャラクター物の格闘ゲームは粗製濫造されていたので、 このゲームに対する期待も、一部のコアなファン以外高くなかった。

そのファンというのは、原作である漫画のファンではなく、 開発を担当していたトレジャーというメーカーのファンである。
コナミを退社したスタッフで作ったデビュー作、 「ガンスターヒーローズ」は、高い技術力と深いゲーム性で、 多くのゲーマーにその名を知らしめた。
そんなトレジャーが自社オリジナル作品として開発していた、 格闘ゲームに、幽☆遊☆白書のキャラをかぶせたのが本作である。

プレイしてまず驚かされるのは、簡略化された操作性である。
なんと、格闘ゲームにもかかわらず、方向キーと弱、強、ガードの3ボタン しか使用しない。 また、必殺技のコマンド入力も、 ↓↓+攻撃、↓↑+攻撃、↓→+攻撃、攻撃ボタン同時押し この四つだけ。
初心者にも技が出しやすく、上級者には入力ミスが少ない設計になっている。

ゲームシステムの方も、相手の攻撃にタイミングを合わせてこちらも 攻撃を出し、技を打ち消す相殺や、手前、中央、奥の 3ラインのバトルフィールド、連続技を決めると、必殺技を出すときに使用する 霊力ゲージが回復するなど画期的なものが多数導入されていて、 オリジナリティが高い。

そして何より本作の目玉といえば、家庭用格闘ゲームでは初の 四人同時対戦である。

2対2のタッグマッチ、1対複数のハンデ戦、バトルロイヤルの 三つが楽しめる。
こそこそと逃げ回って、相手の背後からこっそり一撃必殺の 超霊撃を打ち込んだり、味方と協力して挟み撃ちにした相手に 連続技を叩き込んだり、それまで協力していた相手を 土壇場で裏切ったりと、気心の知れた友達とプレイしていると、 気がつくと数時間も経ってしまっていた程、のめりこんで遊んでしまう。

元来、キャラクターゲームというのは、原作の持つキャラクターや、 世界観、シナリオの魅力を反映させて、原作のファンという 購買層に対してアピールしていくものだが、本作に関しては 幽☆遊☆白書のキャラクターを借りているだけであって、 あくまで商品価値は、純粋にゲーム性の面白さにある。

キャラクターゲーム=低いゲーム性という既成概念を 打ち破った金字塔的作品でもある。

個人的評価 ☆☆☆☆☆
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