神機世界エヴォリューション2 遠い約束

「神機世界エヴォリューション」は、セガサターン用ソフト、「バロック」で知られたスティング製作のドリームキャスト初のRPGである。 その続編である本作は、前作の後日譚にあたる。

今ではすっかり落ちぶれてしまったが、冒険家の名門、ランチャー家の跡取りの少年、マグは、先史文明の研究機関であるソシエテからの依頼を受け、遥か南のパルディア大陸にあるミューゼヴィルの町に向かう大陸間鉄道の列車に乗り込んだ。
しかし、突如して、列車に積まれていた鑑定品を狙って、盗族団、カルカーノ一味が襲撃してきた!

システムは基本的に前作といっしょ。ダンジョン内で敵にぶつかると、当時としては珍しい、 フィールド上のポリゴンでモデリングされたキャラクターが、そのままシームレスに戦闘シーンに移行する。

このシリーズの戦闘シーンは、シミュレーション風味で、陣形を組み、必殺技や特技を駆使し、 移動距離や効果範囲を計算しつつ戦っていく。

必殺技はFPを消費して使う特殊技で、攻撃、回復、補助といったように、他のRPGで言う所の魔法のような存在だが、違うのは、戦闘を終えると少しずつFPは回復し、新しい必殺技は、戦闘で得られる必要分のTPと引き換えに習得していく。 覚える技が高度になるほど、比例してTPも高くなっていく。

また、必殺技の数は多彩で、一度のプレイで全てを習得するのは困難な程。  特に、サイフレームと呼ばれる先史文明の発掘品を武器とするキャラクターは、それに備え付けられているスロットにパーツを増設することによって、覚えられる技がさらに増えていく。技をしっかりと取捨選択して、自分の方針にあったキャラクターに育成していかなければいけない。

そして特技の方だが、これは一定回数の戦闘をこなすと自然に回復していき、  個人のみで使えるものと、マグと他のパーティメンバーの組み合わせによって、使えるものがある。

たとえば、執事のグレは、おだてて能力を上げたり、ナイスバディの女冒険家、ペッパーは、熱い抱擁で体力を回復したりといったように、個性が表れていて面白い。 さらに、使い込んでいくと、より強力なものに進化していく。

しかし、こうやって、戦闘を終えても、経験値は手に入れられるが、お金を手にすることはできない。 では、どうするのか?入手したアイテムを売却することだ。
特に鑑定品と呼ばれる先史文明の発掘品は、一見すると、ただのガラクタだが、筒とレンズが揃っていれば、 天体望遠鏡といった具合に、ソシエテに持っていって鑑定してもらい、組み合わせることができれば、 レア鑑定品となり、高値で買い取ってもらえる。

こうして、最後までプレイして気になったのは、全体を通して冗長な感じが続くということ。 基本的にダンジョン内のボスを倒し、依頼された品を奪還するパターンの繰り返しで、話にメリハリが無い。
また、ゲーム中、大半はダンジョンの中なのに、そこでストーリーが展開することは無いし、 前作では自動生成だった内部構造が、ディスペアの塔という本編には直接関係無い場所を除いて固定式となり、 加えて、最後を除き、敵は弱いので、緊迫感が無い。
くじびきでレアアイテムを手にいれたり、パーティー内のメンバーによって、街の人の会話が変わったり、 ダンジョン内の隠し部屋に行けたり、隠しアイテムを入手できるのはよかったが、あくまでオマケ要素に過ぎない。

けれども、現在では四コマ漫画家として活躍されている、ウエクサユミコ先生 (男)の描く愛らしいキャラクター達が織りなす、 ホンワカとしたドラマや世界観は大変魅力的。 筆者は彼がドリームキャストマガジンで連載していたこの作品の漫画が好きで、購入したひとりだ。 現在では単行本に収録されているので、読んでみて気にいったのなら、ぜひ、プレイしてみることを薦める。

個人的評価 ☆☆☆

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