イザベラ

イザベラ。本名、イザベラ・アリストゥルゲルベゾルゲ 
もうひとりの次期女王候補として、ヒロインのリップとともに人間界に修行にやってきた彼女は、 前年度ジュニア魔導士選手権の優勝者という肩書き通りの強大な魔導力と、それに見合った尊大なプライドの持ち主で、事あるごとにリップに魔法勝負を挑んでは、 何もさせないまま圧倒してしまう。

切れ長の瞳にうっすらと笑みを秘めた唇。青いロングヘアーをなびかせ、すけるような白い肌とバスト86、ウエスト58、ヒップ88という10才児離れしたナイスバディを紫紺のロングドレスに包み、 小学校の水泳の授業ではそのプロポーションを誇示するかのように白いビキニで参加する。

人間に対する考え方はリップとは正反対で、常に冷笑的。
そのため人間界ではいつも友達に囲まれているリップと違い、誰とも仲良くしようとせず、常に一人で行動する。

ここまで読んだ人はイザベラのことをW嫌な奴Wと思ったに違いないだろう。

しかし、彼女のこうした態度には明確な根拠がある。

それはこのゲーム内の多くの人間に、稚拙さと醜さが露骨に表れているからだ。

クラス委員はホームレスを襲撃し、学校の教師は生徒の私物を盗み、バレンタインデーにチョコレートをもらえなかったガキ大将 は腹いせに悪質ないたずらをするといった有様。

これでは人間に対し肯定的なリップの方が異常に見えてしまうくらいだ。
そんな彼女を試すかのように、イザベラは度々挑発的な行動に出る。

だが、異なる価値観を持つリップと触れ合ううちに、彼女にも少しずつ変化が現れ始める。

それを裏付けるエピソードのひとつに運動会がある。
校内でクラスメイトにからかわれた彼女は、こっそり魔法弾で復讐しようとするが、事件とは無関係な リップの二人三脚のパートナーに被弾してしまい、怪我を負わせてしまう。
この責任を取って、代役として彼女のパートナーになったが、肝心の運動会は雨で中止になってしまう。

イザベラはこれを残念がるようなそぶりをちらっと覗かせる。
そして魔法勝負を繰り返すうちに、自分に拮抗する力を身につけたリップを認めるような発言も見受けられるようになる。

これは彼女がリップの成長に、人間が大きくかかわっていることに気づいたからに違いない。

やがて時は流れ、一年の修行期間を終えた二人は魔法界に帰り、王城にて結果を待つのだが、 リップが次期女王選ばれた場合、イザベラに話しかけると、
「これで私たち、また明日から他人に戻ってしまうのかしら」
と、いつもの強気で高慢な彼女からは考えもつかない、弱弱しくも飾らない心境を吐露する。

当初、孤高の精神の持ち主だった彼女は、人間という弱い存在を認められなかった。
それは心の奥底で微かに感じていたさびしいという弱い気持ちを、認めたくなかった裏返しではなかろうか。

人間界での修行の末、リップは次期女王の座、そしてイザベラはリップというかけがえのない親友を得た。
ゲーム中はリップの視点で語られているので気づきにくいが、このお話は二人の魔法少女の成長物語だったのだ。

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