ネイ・セカンド |
マスターシステム用ソフト、「ファンタシースター」は戦闘アニメーション、3Dダンジョンといった新機軸を
積極的に取り入れた野心作のRPGだった。 前作は第一惑星パルマから物語が始まったが、今回は第二惑星モタビアから始まる。 この問題に頭を痛めたモタビアの総督は部下のエージェントの青年、ユーシスに問題の調査を命令した。 そう、彼女こそ「にんげんにしてにんげんにあらず」という意味の名を持つ、本作のヒロイン、ネイである。 ネイはバイオモンスターと人間のDNAを掛け合わせて生まれた、ニューマンという種族である。 この特徴が、バイオモンスターとの混血であること示しているため、彼らに危害を加えられ、恨みを持った人間たちによって、 何の罪も無い彼女まで言われ無き迫害を受け、あまつさえ命まで狙われていた。 そんな折、彼女を不憫に思った老夫婦が養子としてネイを引き取ることにした。 再び、当ても無く荒野を彷徨うネイ。そんな時に出会った青年がユーシスだった。 七ヶ月が過ぎ、出会ったころはほんの小さな子供だったネイは、14,5歳ぐらいの美しい少女に成長していた。 旅を続けるうちに、気象コントロールシステム「アメダス」にたどり着くユーシス達。 そこで彼らは我が目を疑う様な光景に出くわす。 ネイに瓜二つな少女が、一行の前に立ちふさがる。ネイ・ファーストと名乗ったその少女は、自分が二年前、人間とバイオモンスターの 遺伝子を掛け合わせる実験の最中に、バイオシステムに大量のエネルギーが流れ込み生まれた存在で、 失敗作の自分を殺そうとした科学者の手から逃れ、人間たちに対する復讐のためにバイオシステムを利用し、バイオモンスターを製造していたが、 それを邪魔する者が現れたと語った。 そう、それこそが、ネイ・ファーストの人を思う、善意の部分が分離したもう一人のネイ、ネイ・セカンドだったのだ。 続けざまにネイ・ファーストは、 「ちがう!ちがうわ!」 お互いの感情を叩きつけるかのように、激しく切り結ぶ二人。やがて、セカンドのクローがファーストを捉えたかのように見えた。 怒りを胸にネイの敵を討ったユーシスたちだったが、クローンラボで彼女の蘇生を試みるも、普通の人間と違いバイオモンスターの
細胞も持っているため、その部分が修復できず、 おそらく、ネイがユーシスとの旅に同行したかった本当の理由は、ユーシスとの生活で人の持つ優しさや暖かさを知り、
彼らがバイオモンスターに苦しめられているのを、どうしても見過ごすことが出来なかったからではないだろうか? 説得に失敗し、彼女と戦う羽目になった場合、仮に勝ったとしても、クローンである自分は消滅してしまう事を知っていたのに……。 「にんげんにしてにんげんにあらず」と名づけられた、余りにも残酷な運命の星の下に生まれた彼女は、誰よりも人間を愛し、 誰よりも人間らしく生きたと思う。 |
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