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ネイ・セカンド

マスターシステム用ソフト、「ファンタシースター」は戦闘アニメーション、3Dダンジョンといった新機軸を 積極的に取り入れた野心作のRPGだった。
中でも特に目新しかったのは、それまでのRPGの主流だったケルト的世界観ではなく、SF的な世界観を採用したことだった。
その続編に当たるのが後継機メガドライブで発売された本作、「ファンタシースターU 還らざる時の終わりに」である。

前作は第一惑星パルマから物語が始まったが、今回は第二惑星モタビアから始まる。
このモタビアは前作の主人公アリサたちが活躍した時代には、見渡す限り砂漠の広がる荒れはてた星だった。
しかし、環境をコントロールするマザーブレインの導入によって、今では緑あふれる豊かな星になっていた。
人々は幸せを謳歌していたが、いつの日からか、バイオモンスターという凶悪な生物が増殖し、人々を襲うようになっていった。

この問題に頭を痛めたモタビアの総督は部下のエージェントの青年、ユーシスに問題の調査を命令した。
家に帰り、旅支度をしていると一人の少女が心配そうな顔をしながら、
「ユーシス、おねがい、ネイもつれてって。ユーシスのためならなんでもするから!」
と、懇願する。

そう、彼女こそ「にんげんにしてにんげんにあらず」という意味の名を持つ、本作のヒロイン、ネイである。

ネイはバイオモンスターと人間のDNAを掛け合わせて生まれた、ニューマンという種族である。
人間を遥かに超える身体能力と成長速度を持つが、外見上はほとんど変わらない少女。
ただひとつ、ウサギの様に縦に長く伸びた両耳を除けば……。

この特徴が、バイオモンスターとの混血であること示しているため、彼らに危害を加えられ、恨みを持った人間たちによって、 何の罪も無い彼女まで言われ無き迫害を受け、あまつさえ命まで狙われていた。

そんな折、彼女を不憫に思った老夫婦が養子としてネイを引き取ることにした。
ようやく訪れた安息の日々。だが、その幸せもネイを逆恨みする人間が、老夫婦を殺害したことによって幕を閉じた。

再び、当ても無く荒野を彷徨うネイ。そんな時に出会った青年がユーシスだった。
ユーシスも10歳の時に、宇宙船事故で両親を亡くし天涯孤独の身。彼女のつらさが身に染みて分かっていたからだろうか、 ネイを引き取り、義理の妹として一緒に暮らしていくことにした。

七ヶ月が過ぎ、出会ったころはほんの小さな子供だったネイは、14,5歳ぐらいの美しい少女に成長していた。
そんな折に聞かされたユーシスとの別れ。命がけの危険な旅になるのを承知で彼女はついて行こうとする。
彼と離れたくない一心からの決断だと当時の筆者は感じていた。しかし、最近になって、もうひとつの理由があったからでは と思うようになった。

旅を続けるうちに、気象コントロールシステム「アメダス」にたどり着くユーシス達。 そこで彼らは我が目を疑う様な光景に出くわす。

ネイに瓜二つな少女が、一行の前に立ちふさがる。ネイ・ファーストと名乗ったその少女は、自分が二年前、人間とバイオモンスターの 遺伝子を掛け合わせる実験の最中に、バイオシステムに大量のエネルギーが流れ込み生まれた存在で、 失敗作の自分を殺そうとした科学者の手から逃れ、人間たちに対する復讐のためにバイオシステムを利用し、バイオモンスターを製造していたが、 それを邪魔する者が現れたと語った。

そう、それこそが、ネイ・ファーストの人を思う、善意の部分が分離したもう一人のネイ、ネイ・セカンドだったのだ。

続けざまにネイ・ファーストは、
「あなたたちは そのネイをなかまだとおもってつれてあるいているけれど ほんとうはみにくいモンスターとおなじ。 にんげんをにくんでいるにちがいないわ。」
と、言い放つ。

「ちがう!ちがうわ!」
首を大きく横に振って、必死に否定するネイ・セカンド。
「わたしはあなたにこれいじょうモンスターをうみだしてほしくないの。わかって!!ねえさん!!」
必死に懇願するも、憎悪と怨念に染まったネイ・ファーストの心には届かない。
やがて意を決した彼女は、悲壮な覚悟とともに戦いを挑む。

お互いの感情を叩きつけるかのように、激しく切り結ぶ二人。やがて、セカンドのクローがファーストを捉えたかのように見えた。
ドサリ、
静かに倒れこんだのは、ファーストの隠し持っていたレーザーソードに体を貫かれたセカンドの方だった。

怒りを胸にネイの敵を討ったユーシスたちだったが、クローンラボで彼女の蘇生を試みるも、普通の人間と違いバイオモンスターの 細胞も持っているため、その部分が修復できず、
「わたしはもうだめ… ユーシスおねがい。 わたしたちみたいなあくまをにどとつくらないってやくそくして。 へいわなアルゴル でみんなしあわせになってね…」
と言い残し、ネイはその余りにも儚く、短い人生の幕を閉じた。

おそらく、ネイがユーシスとの旅に同行したかった本当の理由は、ユーシスとの生活で人の持つ優しさや暖かさを知り、 彼らがバイオモンスターに苦しめられているのを、どうしても見過ごすことが出来なかったからではないだろうか?
今回の事件の黒幕がネイ・ファーストであることを既に知っていた彼女は、旅の終着に再会できると確信していたからに違いない。

説得に失敗し、彼女と戦う羽目になった場合、仮に勝ったとしても、クローンである自分は消滅してしまう事を知っていたのに……。

「にんげんにしてにんげんにあらず」と名づけられた、余りにも残酷な運命の星の下に生まれた彼女は、誰よりも人間を愛し、 誰よりも人間らしく生きたと思う。

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